人のセックスを笑うな

人のセックスを笑うな (河出文庫)

人のセックスを笑うな (河出文庫)

ところどころ、好きじゃない表現をするなぁ、とも思ったけど、逆に目が醒めるような美しい表現もあったりして、これは全て含めて戦略なのではないか?と思ってしまった。
それほど、なんとも言えない才能を感じさせられる作家さんです。
だけど、やっぱりそれよりも、この原作を元に、あの映画を作ったことがすごい。
原作で表現されているものだとばかり思っていたけど、ほとんどが映画オリジナルの雰囲気だった。
あそこまで独自の世界観が作られていたとは、素晴らしい。
えんちゃん、原作でも実に素敵な女性でした。
「この人と一緒に時を過ごせば、きっと幸せになれる」と思う人と、シンプルに「好きだ」と思える人は、どうして一致しないことが多いんだろう。
燃えている火はいつか消えるものだ。
だから、燃やさずに静かに仲良くできないものか、と願う。
だけど、燃えていない心臓などつまらない。
本編にこんな感じの表現があった。(今、原作読みながら書いてるわけじゃないので、多少違うと思いますが)
シンプルだけど、とても胸に響く言葉だった。
他の作品も是非読んでみたいです。