1ポンドの悲しみ

1ポンドの悲しみ (集英社文庫)

1ポンドの悲しみ (集英社文庫)

解説の藤田香織さんが、「さて、本を読むぞー」というモードではなく、日常の中に本を読むという動作を織り込んだほうがより共感できるのでは、と書いていましたが、私はたまたま読書の時間をわざわざ割いて読むようなことはしないタイプなので、この本はまさにその読書法に最適でした。
結局は今想っている人と自分の関係を全ての話とリンクさせて読んでしまうんですが、やはりいろいろと考えさせられます。
表題作は正直、ちょっと私には理解し難かったです。
「スローガール」や「誰かのウエディング」みたいな話が好きですね。
藤田さんの文章の書き方がすごいミーハーっぽくて嫌だったな(笑)。
彼女も作家さんなんですよね・・・?(無知)
エッセイが多い人なのかなぁ。
私は一言一言を紡ぐように美しい表現をする文章が好きなんですが、彼女にはそれが感じられなかったんです。
これは私にとっては結構重要なことで、悪い意味で名前を覚えておこうと思いました。
石田さんの文章は、結局のところ男目線になってしまうのはしょうがないけど、だいぶ女の人目線でも書いてましたよね。
すごいなぁ、しかもそれがまた結構合ってたりもする。
どうがんばっても男女の絶対に埋まらない溝は存在するけれど、石田さんが書く文章を読んでいると、あまりそう感じないですね。
でも今は女流作家の本が読みたい気分だったので、森絵都を手に取りました。
この短編集のストーリーに関する感想は・・・いらないか(笑)。
日常を上手に表現した話ばかりなので、どの話にも共感できる部分があると思います。