夜のピクニック

夜のピクニック (新潮文庫)

夜のピクニック (新潮文庫)

解説を読んで初めてこの本のすごさに気づいたような感じがしました。
たしかにこの本は「歩行祭」だけなんですよね。
舞台はたった24時間の歩行祭のみ。
そして特に何か大きな事件が起きるわけでもない。
だけど、それぞれの人の心境がどんどん変わっていく。
恩田陸は大体ミステリーとかサスペンスが多いので、こういう話は珍しいかもしれません。
会話が多くて読みやすかったのもどんどん読めた原因のひとつでした。
私は実際に高校のときに「リバーサイドウォーク」という歩行祭に似たような行事があって、共感できるところも結構ありました。
本編中に出てくる景色なんかもやっぱり実際に自分が歩いた景色と重なっていました。
さすがに仮眠を取って24時間歩き続けるほどのものではありませんでしたが、たしか20キロぐらい歩いたので、朝から夕方ぐらいまでかかったんだったかなぁ。
そして遅い人はバスで拾われる、というのもたしか同じだったような気がする。
ほんとに共感できる部分ばかりで、おもしろかったなぁ。
青春小説はやっぱりいいね。