今夜は眠れない/宮部みゆき

私は刑事物の話が正直苦手だったりします。
宮部みゆきの作品で今までに読んだことがあるのは、
模倣犯」「火車」「理由」ですが、どれも刑事が出てきます。
模倣犯」は借り物だったのでなんとか読み切りましたが、
火車」と「理由」は途中で断念してしまったほどです。
それほど警察の土臭い感じというか…なんでしょうね。
地を這うように生きている感じ?人間臭さが苦手なのです。
(こう言うとかっこいいけど、別に…ただ苦手なだけです(何))
でも!今日読み終わった「今夜は眠れない」は
今まで私が読んだ宮部みゆきの小説とは全然違いました。
まず読んですぐ気付いたのが、雰囲気が全然違うこと。
だって主人公が私の大好きな少年なんですもの(ミーハー)。
私は刑事物が苦手で、逆に好きなのが学園物なんです。
この小説は学園物とまでは行かないけど、学生が主役。
しかもなかなか頭の切れる2人組というじゃありませんか。
宮部さんにしてはなかなかミステリー要素も少ないし、
なんせ中1の子が主人公だから漢字が少ない少ない。
会話ばっかり、もう読みやすくて仕方なかったです。
模倣犯」のときはピースにムカつきつつ、恐れを覚えたりして
正直読む度疲れちゃってた記憶があるんですが、
今回は事件が起きて謎解きの段階でするする明かされて
最終的にはちょっと感動物語にまでなってたりして
「あらまー、どうしましょう。宮部さん」って感じでした(は)。
お父さんが一度だけお母さんに内緒で高い高いをしてくれた話なんて
思わず売場で読みながら微笑みそうになりましたよ。怪しすぎるけど。
私はいつも家にいると時間がもったいなくて読書をしないんですが、
バスの中や売場、休憩時間などは積極的に本を読むようにしています。
(ま、売場で本を読むのは本当はダメなんですけどね…(当たり前))
つまり合間合間を縫って読んでるわけですが、
本を読むスピードが半端じゃないくらい遅い私が
なんとこの小説は合間を縫って読んだにも関わらず3日で読めちゃいました。
それほどこの小説は何も考えないでも進むし、楽しめちゃうんですよね。
宮部さんもこんな気楽な感じの話を書けるんだなーと思ったら
やっぱり鼻から毛嫌いしないでまた読んでみようと思いました。
ブレイブ・ストーリー」はファンタジーらしいし、何気に読みたかったりします。
ま、ハードカバーは高いし場所取るので文庫になったら買う予定。