語るなんてそんな大層な物ではないんですが。
私の心の中にある、「好き」と「嫌い」。
岩井俊二監督の作品はそんな感情を飛び越えてた。
初めて見た作品は「undo」だった。
そのとき私はまだたしか小学生だった。
お母さんが持ってたundoの写真集を見て
「この映画見てみたい」と思ったのがきっかけ。
でも本当に一番最初に見たのは「打ち上げ花火〜」だった気がする。
真剣に見ていたわけではないけど、雰囲気に惹かれた。
なんだかとても美しくて、でも悲しくて、
小学生の私でもそんなことを感じ取れる作品だった。
正直undoの内容はあまり覚えていない。
でも私は別にそれでいいと思うし、なんだかすごいと思った。
それだけでいいと思う。


それからしばらく岩井俊二監督のことは忘れていて、
映画などもまったく見ない日々が続いた。
そして私の中で岩井俊二監督ブームが再来したのは最近のことだ。
大好きなてっちゃんが出演する作品。
タイトルは「リリイ・シュシュのすべて」。
監督・脚本、岩井俊二
ただすごいと思った。
てっちゃんが岩井俊二監督の作品に出演すること。
なんだか夢のようだった。


そのあとレンタルビデオ屋に通い詰め、ビデオを借りた。
ひたすら岩井俊二監督の作品ばかり借りていたように思う。
一番最初に借りたのは「Love Letter」。
ラストシーンが好きだった。
そして「打ち上げ花火〜」。
小学生のときに感じた雰囲気をまったく変わってなかった。
みんなで好きな人の名前を呼ぶシーンが好きだった。
それから「PiCNiC」を見て、完全にハマった。
同時に浅野忠信Charaにも完全にハマってしまった。
そのあとは岩井俊二監督の作品で、尚且つ浅野忠信が出てるものを選んだ。
でもまだスワロウテイル四月物語は見れていない。


昨日待ちに待った「リリイ・シュシュのすべて」が発売した。
しばらく冷めていた岩井俊二監督の作品が好きだという気持ち、
一気に燃え上がった。見てない作品を近々借りてこようと思う。
リリイ・シュシュのすべては監督自身も遺作にしたいと言ったほど思い入れが強くて
作品の1シーン1シーンが丁寧に作られていた気がする。
設定もなんだか複雑で、まだちゃんと理解できていない部分もある気がする。
現実と虚実が入り混じって交錯する世界。
どんどんのめりこんでいきそうになった。
結局、リリイ・シュシュは架空の歌手だった。
良かったと思った。なぜかはよくわからない。
彼女はどうもCoccoとかぶって仕方ない。
作品を見たあとはCoccoを聴いて眠りについた。
この作品を買った一番の理由、てっちゃんが出演していること。
どこに出てくるんだろう。いつ出てくるんだろう。どんな役なんだろう。
てっちゃんのことだから、きっと期待以上のことをしてくれるに違いない。
そう思いながら待っていた。突然現れた、犬伏という生徒。
「あ、てっちゃんだ。やっぱり不良役か。」そう思った。
てっちゃんには不良役がとてもよく似合う。現実にもそうなのかもしれない。
不良だけど、実はいいやつ。そういう設定がとてつもなく似合っている。
だけど、役者としてもっと幅を広げて欲しい。
そう思い始めていた私は、不良役のてっちゃんを見て少しがっかりした。
だけどその後起こる出来事に、言葉を失った。何も言えなかった。
好きじゃなくなったとか、絶望したとかそんなんじゃない。
てっちゃんがこんな役もできるということに驚きを感じ、
自分のことのようにプライドをズタズタにされた気がした。
とにかく、すごかった。岩井監督はほんとにすごいと思った。
てっちゃんはジャニーズを辞めてほんとに良かったとさえ思った。
てっちゃんは思った以上にすごい俳優で、私はなんだか複雑な気分になった。


リリイ・シュシュのすべてを見て、主役の2人が適役だと思った。
先に原作を読んでいた私は、2人の雰囲気を大体掴んでいたし、
どんな演技をしてくれるんだろうって期待もしていた。
最初市原隼人くんを見たときは、ちょっとだけビックリした。
私の想像と結構違ったから。だけど、彼はなんだか魅力的だった。
忍成くんも難しい役を上手にこなしていたと思う。
市原くんや忍成くんの出演作品をこれからも見続けたいと思った。


リリイ・シュシュのビデオクリップ。
そこにてっちゃんの姿があった。驚いた。
髪型も普通になってて、めちゃくちゃかっこよかった。
所詮私はミーハーだと思った。


リリイ・シュシュのすべては、これからの私の人生を変えてくれそう。
本気でそう思った作品だった。
やっぱり岩井俊二監督の作品はたまらなく大好きだ。